会社での仕事をしていると、大まかに仕事が「できる人」と「そうでない人(できない人)」に分かれます。
それは個人的な能力もあると思うし、適正もあると思います。なのでその場で有能、無能を判断する事は出来ないと思います。
でも同じ職場にいながら、有能だったのにもかかわらず無能になってしまったケースもあるでしょう。
中には「なってしまった」というより「自らそうなった」かもしれません。そうさせてしまう原因、要因を考えてみたいと思います。
僕が仕事が出来る、というわけではありませんが、僕も社会人歴は10年以上で、管理職もかなり短い期間ですが経験しているので、ひとつの意見として見てもらえると幸いです。
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何をもって「無能」とするのか
「無能」の辞書的な意味はざっくり
「能力や才能がない。役に立たない。また、その人やそのような様」
といった意味です。
例えば、スポーツのような、才能、技能などが分かりやすく、結果で計ることのできる業界なら非常にわかりやすいでしょう。
他にも、営業などの成績が数字になってハッキリわかる仕事も似たようなものかと思います。まあこういうのは「向いていない」というのかもしれませんけどね。
分かりにくいのは、事務職や接客などの店舗業務、工場などの作業といったところでしょうか。
確かに、明らかに作業が遅い、対応が悪いなど見て取れるものならわかりやすいでしょう。
ですが、実際に無能か有能かの基準はあいまいです。なぜなら評価者によっても判定が変わるからです。
ここの部分は、「能力主義」の日本特有の評価方法ともいえるかもしれません。
ある特定の性格、考え方や行動があり、それがその職場の適正に合って、性格などマッチしていれば有能、マッチしていなければ無能とされるところがあります。
例えば、指示されたり、命令されることは基本的に誰でも嫌いでしょうが、特にそれを嫌う人もいるでしょう。
そういった人が命令ばかりする上司がいる職場で働いた場合、フラストレーションがたまり、反発したり、勝手な行動をしたりするかもしれません。
その結果として、その人はその上司から「無能」と評価される可能性はあります。
実際その人自身、営業成績が優秀であったり、自由にやらせたらかなり良い仕事をしてくれたかもしれないのにも関わらず、無能と評価される。
こう考えると、無能か有能かの基準はあいまいですね。評価する人の基準で分かれるケースもあるわけです。
無能だからといって決してダメではないわけです。なかなか難しいですね。ただ、1つの考え方があります。
無能な働き者は〇〇?ハンス・フォン・ゼークトの考え方
「有能か、無能か」という考え方の1つの例があります。
第一次世界大戦時にハンス・フォン・ゼークトという参謀総長が兵士の役割分担するため、4つのタイプの人間で分類したものがあります。
以下のように軍の中で役割を与えるように言ったそうです。
有能な怠け者:前線指揮官
有能な働き者:参謀
無能な怠け者:総司令官または連絡将校、下級兵士
無能な働き者:銃殺刑
無能な働き者に対してがメチャクチャ厳しいですね…。
実際に言われた言葉かは定かではないようですが、これは有能か無能か、働き者か怠け者か。この2×2の選択での判断は非常にわかりやすいと言えるでしょう。
特に最後の「無能な働き者はすぐに銃殺刑にせよ」の部分。
軍隊なら、他の隊員を命の危険にさらしてしまうから殺してしまえ、という相当過激な言葉ではありますが、仕事でも当てはめることが出来ます。
要は無能な働き者は、ミスや方向性の違うことばかりして逆に仕事を増やす。でも行動力は人一倍あるから余計傷口を広げてしまう。それなら逆にいない方が助かるということでしょう。
ミスや方向性の違いの原因と改善方法は?
もちろん、誰でもミスはします。方向性の違う事をしてしまう事だってしてしまうでしょう。
ちょっとのミスで銃殺刑にされたらたまったもんじゃないですよね(笑)あくまで軍隊はデットorアライブの世界なので当てはまるかもしれないですが。
例えば、僕は「こうだ!」と決めたら突っ走るタイプなので、方向性の違う事をしてしまうことが多いです。過去そうして叱られたりするケースや煙たがられることがありました。
いい方向に行く事もありましたが、ある程度足並みそろえなければいけない場合は輪を乱すなど悪い方に行きます。
だからこそ、方向性を上司などに確認していました。
ミスした時も、なぜミスしたのか要因をできる限り出して、次は同じミスをしないように心がけていました。
それでもやらかす事はあるので、僕は下手をしたら無能な働き者になりやすいタイプと言えます。自分で悲しくなりますが(笑)
原因は、職種やそのシチュエーションなどによって違うので異なりますが、その多くは
- 勘違い
- 思い込み
- 確認不足
でしょう。
そして改善方法はその逆です。全てに共通するのは自覚と確認です。
- 勘違いしているかもと自覚して確認する
- 思い込みがあるかもしれないと行動を確認してふりかえる
- 方向性が間違ってないか確認する
すべて確認すれば80%は改善可能でしょう。
そしてここから考えると、無能な働き者は
- 自覚
- 確認
が足りないと言えると考えることができますね。
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まず無能な働き者の特徴をおさえる
改善方法の前に、無能な働き者の特徴を大まかにまとめてみました。
特徴をおさえる事で、その行動をしなければ「無能な働き者」になる可能性を減らす事が出来ます。
改善よりも、こちらの方が取り組みやすいし分かりやすいと思います。
無能な働き者の特徴① 不適切な行動と勝手な行動
「この作業をやってください」と言われているのにもかかわらず、違う行動をする、全く見当違いな行動をするのはしっかりと理解できていなきからですね。
原因は
- 基礎的な指導がされていない
- 本人の勉強不足
- 把握ミス
- 自分勝手な行動
- 確認不足
があるでしょう。
本人が関係しているこことあるでしょうし、その職場の新人教育や指導に大きな問題がある可能性がります。
ですが、それがないにも関わらず間違った事をしているのは本人の問題になります。
もちろん、僕も偉そうなことは言えませんが、
- 不安なら確認する
- 指示されて行っている仕事なら、進行状況を報告して方向性を確認する
- 結果が思わしくないなら指示やアドバイスを受ける
これらの事が必要でしょう。
これをやらずに失敗しても、それは本人の仕事に対する自覚の問題でしょう。そういった事で「職場が厳しい」というのならどの職場でも通用しません。
何かを自主的にやろうとしているなら、良い事だと思うし、その自主性を止めるような事をしては本人のモチベーションの低下につながります。
ですが、なりふり構わず突き進むのは間違っています。確認や相談、いわば「ホウレンソウ」は必要と言えます。
まあ変化を拒むような上司なら、業務改善のためにこっそりやってしまうのも1つの手ですが…(笑)
無能な働き者の特徴② 自己満足
自分がやろうとと思って作ったもの、取り組んだことには愛着があるでしょう。
僕も自分が作った記事も自分で「よく頑張ったな」と思う事があります(笑)
でも本人が一生懸命やって「頑張ったな、自分!」って思っていても、それが人に迷惑をかけたり、マイナスになっているなら改善、別のやり方をしなければなりません。
自分の考えたことが迷惑がられていたり、という事が夢にも思っていない、独善的な人もいますのでこれはかなり難しいと思いますが、そういう人も煙たがられますね。
仕事ができる人なら「玉にキズ」くらいかもしれませんが、あまりできないのにそうだと「無能」と言われても仕方ないでしょう。
それと、都合の悪い事は記憶障害になる人もいます。「まさかー!?」って思うかもしれませんが、実際いるんです、そういう人。
こういった場合は確認をよくするように促すしかないようにも思いますが、それを言われたことも忘れるか無視するので「困ったなぁ」って思うタイプではあるかもしれません。
無能な働き者の特徴③ あいさつができない
これ意外と思うかもしれませんし、僕の経験則のような部分もありますが、出社した時、退勤の時の挨拶が出来ない人は仕事が出来ない、「無能」なケースが多いように思います。
できる人はハキハキしているし、あいさつもしっかりする、でもそうでない人はあいさつが出来ていません。
挨拶ができる人は感じが良いし、何かを教えてもちゃんと生かすように努力する。だからこそ教えがいがあると思われるし、声もかけてもらえる。
その逆は、声もかけにくいし、最終的には「好きにしたら?」みたいになるので迷走してしまう。無能になるべくしてなってしまったのかもしれません。
確認や相談もコミュニケーションです。そしてあいさつはコミュニケーションの基本ともいえる行動です。
あいさつをバカにする人は、「無能」に1歩近づいている可能性がありそうですね。
無能な働き者の特徴④ 無責任、自分の非を認めない、プライドが高い
仕事を自分でする以上ある程度責任を持たないといけません。その責任感が仕事をしっかりやろうという意識にもなりますし、失敗をしても次が無いように学ぼうとします。
ですが、責任感のない人は「上手くいかなくても自分は責任を取らなくていい」「誰かが責任を取ってくれる」という考えから成長はありません。
自分の非を認めないという人も同じですね。自分が1人で仕事をしていても、環境や状況のせいにし、複数人で仕事をしていたら誰かの責任にしているでしょう。
プライドが高いのも変わりません。自分が傷つくのが嫌だから、何かをミスしても認めたがらない、プライドを守る事を優先するはずです。
集約すると「無責任」という事ですが、そういう人は成長しても中途半端で、ずれていても気づかないか、改善しようとしないでしょう。
若いうちはまだ良いですが、これが年を取ってからそうだと扱いにくいし「無能」と陰で扱われることになるでしょう。
無能な働き者の特徴⑤ 仕事を請け負いすぎ、Noと言えない
やった事がない仕事、やってみたい仕事に挑戦したりするのは非常に良い事ですが、自分の力量をオーバーした仕事はアウトです。
- 自分の力量が分かっていない
- 自分を過信している
- その仕事自体の事を把握できていない
これらが原因でしょうが、もう1つは
断れない
という事だと言えます。
自分の負荷をかける事はスキルアップには必要ですが、断れないで仕事を抱えるのは最終的には相手の信頼を裏切ります。
断るのが苦手でも、自分の置かれている状況を説明して調節すべきです。
それで相手が嫌な顔をしたら、あなたを「何でも屋」みたいに扱っているのかもしれません。
そんな相手のいる職場は最終的にやめる覚悟で断るのが大切ではないでしょうか。そうでないとあなたが体調を崩すなどして壊れてしまします。
無能な働き者の特徴⑥ 言われたことしかできない
自分で考えず、言われたことしかできないのも問題ですね。それは「仕事」でなく「作業」です。ある程度は自分で考えないと仕事になりません。
「作業」しかしない人は先ほど書いた無責任な人でもあるでしょう。言われたことを超えて仕事をしてミスしたら自分のせいになると思っているかもしれません。
他にも「もっとこうしたら改善される」「もっと今よりいい状態にしたらどうしたらいいか」といった視点がないという事でもあるでしょう。
仕事ではこの視点がない限り、認められたり信頼されたりはあり得ないですね。
無能な働き者の特徴⑦ 詰めが甘い
何かをやっていても結果にならなければ意味がありません。
もちろんプロセスも大切ですが、結果を出すことが前提ですから詰めが甘いなら仕事を依頼したりしないでしょう。
例えば、計画までは完璧だけど、実際の実行する時になると上手くいかない。1度なら良いですが、これが毎回だとその人の計画に乗ろうとは思わないはずです。
僕自身、大きなプロジェクトを会社で計画はしたことはありませんが、結果重視、どんな効果があるかを考えてやっていくうちに他の仕事を任せてもらえるようになりました。
この視点がなければ次のステージはないと思っています。
僕も詰めが甘い時があるので偉そうなことは言えませんが、最後でしくじったらすべてが水の泡になるので気を付けたいところです。
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無能な働き者は空回りして視点がずれている
特徴をざっくりまとめますと「空回り」しているという事であると言えます。
空回りは、自覚と確認が不足しているからです。自分がずれたことをしている可能性があるという自覚と、ずれていないかどうか確認が不足しているという事です。
責任感といった点でも、失敗が続けば責任感のある人は考えます。それがない人はずっと空回りな行動をい続けるでしょう。
もちろん、性格や周りの人間関係、上司との折り合いなど様々な要素があります。
ですが、これは環境などの外的要因であり、自分の内的な要因で考えるつき詰めると「自覚と確認」になるでしょう。
これがないと、
「自分が正しい」
「自分は仕事ができる」
「自分は頑張っている」
という「勘違い」を起こします。
無能状態におちいっている人に「自覚と確認」を求めても聞く耳を持たないので無理な話でしょう。勘違いを起こしていますからね。変に自己評価が高い状態です。
そのため、聞く耳を持たないので、周りは「この人に何を言っても無駄」と判断し何も言わなくなる。その相手は余計孤立を深める事になります。
ないし、
「この人に言っても理解できないだろう」
「言うとふくれて仕事してくれなくなったり、雰囲気悪くなるから言わないでおこう…」
など思われば言わなくなりますね。
そして、勝手に行動してミスする人は、目が離せないので他の人の集中もそいでしまいます。完全に悪循環ですね。
さらに、「自覚と確認」というのにさらに1つ付け加えると「素直」でない事があると思います。相手の事を素直に聞き入れる素直な心。これは大切だと思います。
ただ、言いなりになるのとは違います。言いなりになると、ある意味洗脳されて無能になります。「無能洗脳」といったとこでしょうか。
僕もひねくれている方かもしれませんので、意識していますが、言いなりにならず、でも素直になる。
要は「話を聞く人を選ぶ」ということですよね。
完璧を求めてられる事が無能になる原因のひとつかも?
「自覚と確認」そして「素直」により有能と職場で評価されるのはいいことでしょう。ただそれにより上の立場、役職に立つと最終的に無能になってしまう可能性があります。
例えば管理職ともなると、部下の管理、顧客管理、顧客満足度、業務改善、上への報告…全ての業務を行う必要がある上に高いレベルである事が求められます。
そのうえ高い倫理性、使命感などメンタル面でも高い事を要求されます。
それに見合う高い報酬があるならやろうと思うかもしれませんが、今の時代、それが釣り合っていない事が非常に多いですね。
名ばかりの管理職を付けたり、長時間労働を課したり。法律ギリギリというかアウトの会社も多いでしょう。
使命感や倫理観、道徳観だけで動ける人間は一部の狂った人だけだと思います。悪く言うようだけど、これは間違ってないと思っています。
普通の感覚の人は、倫理観や使命感だけでは動けません。少なくとも僕はそうです。
でも会社はそういったパーフェクトヒューマンのような行動を求めるようになります、これじゃレベル的に機械ですね。
だからこそ無能のふりが今の時代必要かもしれません
機械と比べれば、人間は「無能」でしょう。
機械と比べて「キミはダメだ」「仕事ができていない」と言われ、その言葉を真に受けていては「自分は出来ない人間」と思い込むのも無理ありません。
こういった負の刷り込みが行われる事でどんどん自信がなくなり「無能洗脳」が完了してしまう、少なくとも僕はそう考えています。
最終的にはどの人も無能になるという「ピーターの法則」というのがありますが、その通りだなと思います。
徐々に機械と比べられれば、最終的に無能になるのは必然です。
だからこそ今の時代、副業が認められつつあるので、ある意味無能のふりをするのが正解かもしれませんけどね。
会社の意のままになり、無能の烙印を押されるなら、無能になる、無能のふりをする方が賢いとも言えます。
有能なまま続けられる人はごく一部
有能なままで終われる人は、多くは会社でのトップクラスにいるごく一部の社員のみでしょう。
他の中間管理職のような人たちは、完璧を求められ無能洗脳にあうか、自分で無能になるか、これが終着駅です。
僕も店長の次のポジションにいたこともありますが、「あれをやれ」「これをやれ」、自分から色々仕事をしていてもやって当たり前、少しでも足りない点があると文句を言われる。
もちろん僕の仕事の仕方の問題もあるかもしれませんが、「そこまで言うならお前がやれ!」って思ったこともありました。
ちょっと愚痴になってしまいましたが、管理職を経験したことある人なら誰しも思った事があるのではないでしょうか。
有能でい続けるというのは非常に大変ですし、常に精神を削り続けないとできません。
しつこいけど、それなら無能になるのは無理ありません。僕なんか、無能を通り越してポンコツになっていそうです(笑)
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対策は「逃げる」!
更に暗い事を言いますが、10年後は半分以上の仕事がなくなっていると言われている中で、僕を含め生き残れる保証はありません。
生き残れる自信のある人なら良いですが、そんなスーパーマン、全体の数%程度でしょう。いやそれ以下かも。
僕が思うに必要なのは、その無能レースから逃げるという事、いかに離脱できるかを考える事です。
どうすればそうなるかは人それぞれでしょうし、僕も色々考えていますが、ザックリ「逃げる」という事が最善なのではないでしょうか。
いつからでも遅いって事はないと思いますし、今この瞬間が一番早い時なので、今できる限り色々考えてみてはどうかなと思います。
どういった考えでも、最終的には「無能」になってしまうのだと思いますが、そうなる前に自分がどういった行動をとるのか。
これからの時代、「仕事ができない」の「無能」だけでなく、「何も考えていない、脳(能)が無いい」というような「無能」に対しての対策、要は「考える」という事も大切なのでしょう。
難しい時代ですね。でもアイデア次第で色々な事ができる時代でもあるので面白くもあるなと思っています。