昔話は世界中にいろいろな話がありますね。
ハッピーエンドの話から悲しい終わり方のする話まで様々です。
中には子ども向けにストーリーが書き換えられているものもあり、書き換えられたものが本当のストーリーと思っている人も多いですし、僕もそんな話はあると思います。
その中でも特に有名なのは「桃太郎」
桃太郎は鬼ヶ島に鬼退治した後は、おじいさんとおばあさんと仲良く暮らしたといったストーリーですが、その後はどうなったのか?
今回は、桃太郎のその後の話について調べてみました。
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桃太郎のその後の話はいくつかある
桃太郎のその後の話は主に3つあるようです。
ちなみに桃太郎の話は1723年に書かれていますので、その後の話は早いもので約50年後に書かれています。
以下が桃太郎のその後の話です。
桃太郎後日噺(1777年)
桃太郎元服姿(1779年)
桃太郎再駈(1784年)
それぞれ紹介します。
桃太郎後日噺(1777年)
鬼ヶ島での鬼討伐後の話です。桃太郎が宝物と家来の犬猿キジと、心優しい白鬼を連れて帰りました。
その後、桃太郎は16歳になり元服(成人を示すための儀式)し、白鬼も元服しました。猿も真似をして元服します。
下女(メイドさんのような人)の「おふく」に猿が言いよるが、ことごとく断られます。そんな中、白鬼と下女は恋に落ち、深い仲になります。
ですが当時、奉公人同士の恋愛は禁止なので、これは咎められる行為だったそうです。
それを見ていた猿が、奉公人同士が深い仲になっている桃太郎に告げ口するものの、桃太郎は恋が叶わないという理由で告げ口をした猿も同罪にしました。
そして、桃太郎は3名にお金を与えて追い出しました(昔の言い回しで「暇を出す」というものですね)
暇を出されたものの、白鬼とおふくは結ばれ夫婦になり、お店を出して幸せに暮らします。
しかし、白鬼には元々、鬼ヶ島時代に「鬼女姫」という許嫁(いいなずけ)がおり、鬼女姫は白鬼の元に行きます。
そして、それをおふくが知って怒りました。怒りでおふくは角を生やし大蛇になります。
鬼女姫と、大蛇になったおふくに追われた白鬼は田舎寺に逃げ込みますが、鬼女姫は、夫を殺そうとするおふくを止める事が出来ず、自害します。
そこで、桃太郎が登場して、おふくを斬り殺し、鬼女姫と手を組んだ猿も踏み殺してしまう。
と、ここで話が終わっています。
桃太郎の話というより、桃太郎の家来と周辺の人間関係をメインに話を進めていました。ドロドロの恋愛ストーリーで、昼ドラっぽい内容です(笑)
鬼というより、人が角を生やして蛇になるあたり怖いですね。
今でも浮気をしたり男がだらしないことで、女性が鬼になるといったケースはあるでしょうか(笑)
「人間の怒りや憎しみの頂点=鬼」
として考えられていたのではと推測もあるようです。
桃太郎元服姿(1779年)
これも鬼ヶ島の鬼討伐後の話です。桃太郎に宝を取られた鬼ヶ島で鬼たちは、宝を取り戻す計画がなされました。
そこで、方法として「おきよ」という、美人のミス鬼ヶ島が桃太郎のところに行き油断させて宝を取り返すという計画を立てます。
早速、おきよは桃太郎のところに行き、桃太郎と接触することに成功するも、おきよは桃太郎と恋に落ちるという展開に。
そして、桃太郎の女房になりましたが、その事実は、作戦の結果に待ちかねて様子を見に来た鬼により発覚。
桃太郎を殺すと鬼が言うので、おきよは耐えきれず自害します。
おきよのことを知った桃太郎は、それ以降鬼退治をしなくなりました。
これも恋愛沙汰で、昔の人も恋愛がらみの話が好きだったということでしょうか。
ですが、明らかに大人向けな内容です。
ただ、これは鬼目線な話であり、桃太郎は鬼から宝を持って帰ったかもしれませんが、鬼からしたら「奪われた」と解釈する事が出来ます。
村人から奪った物なら、「取り返した」になりますが、そうでないなら強盗です。正義の名の下に強盗をしても良いのかという疑問が出てきます。
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桃太郎再駈(ももたろうにどのかけ)(1784年)
これも鬼討伐後の話ですが、恋愛がらみではなく、鬼討伐後に以下のアイテムを戦利品として持ち帰りました。
- 隠れ蓑(かくれみの)
- 隠れ笠
- うちでの小槌
その道具の1つ、「うちでの小槌」のお陰で桃太郎一家は経済的に潤います。
経済的豊かさを良いことに、一家は贅沢三昧。
桃太郎の父(最初の話のおじいさん)は隠れ蓑と隠れ笠を見世物にして金儲け
桃太郎の母(最初の話のおばあさん)は毎日のように芝居など遊びざんまい
それを気に病んだ桃太郎は、戦利品の偽物を作ってもらい、使い物にならなくなったと両親に嘘をつきました。
そして、両親にはまた鬼ヶ島に行くといって旅たちました。
実際には桃太郎は悪友のススメで吉原(風俗街)へ行くことに。
途中で犬、猿、キジのような太鼓持ちと出会います。そして太鼓持ちと一緒に吉原を目指します。
そして「その花」という遊女(風俗嬢)を気に入り、身代金(遊女になる際にかけられた借金)を桃太郎が払い、村に帰ります。
帰った後、2代目桃太郎が生まれ、桃太郎一族はますます栄えました。
というお話です。
途中までは良い話でしたが、吉原に行くあたりから途中から崩れましたね(笑)
悪友が見事に話の流れをぶち壊しました(笑)
時代背景を考えると現代とはズレがある
ただ、時代背景を解説すると、遊女の中には読み書きやそろばんが出来るなど、優秀な遊女も多かったので、商人が見受けをして妻にするケースもあったそうです。
なので、当時、嫁探し目的で吉原に行ったりするケースがあると考えると、この話の桃太郎もそのつもりだったのかもしれません。
なんせ、両親の行動を気に病むくらいですからこの話の桃太郎は両親はあったはず。
吉原でどのくらい遊んだかはわかりませんが、嫁探しの可能性だとするなら、最終的には「一族繁栄」の話になります。
悪友の吉原への誘いも、真面目に生きようと嫁をもらって家族を作ろうという真面目な話かもしれません。
もしそうなら、今までの恋愛ドロドロ話ではなく、ホームドラマな話になっています。
ただ、ややパロディー化した部分もあるようなので、漫画のようなエンターテイメント性があったかもしれません。
続編はこんな感じですが、そもそも
- 桃太郎の本当の話は?
- そもそも桃太郎自体、本当に自分が知っている話なのか?
と思ったので、それについても調べてみました。
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桃太郎は桃から生まれていない
そもそも桃太郎は桃から生まれていないとも言われています。
桃太郎の話自体の原型は室町時代の話で、江戸時代に出版され広まったようです。
主流は明治の初期まで
「川から流れてきた桃を食べて若返ったおじいさんとおばあさんの間に生まれたのが桃太郎」
という話だったそうです。
桃が昔から貴重で、邪気を払い、不老不死の力を当たえる霊薬となる果実とされていました。なので、不老長寿の効果があると言われてきたそうです。
そのため、「若返り」という話が生まれたのかもしれません。
今の話になったのは1887年に国定教科書に採用されたことがきっかけで、
「桃から生まれた」
としたのは、
「若返った2人から桃太郎が生まれたのはなぜか?」
といった、子どもに教えるには困る質問を避けるためだそうです。
他にもこのような話もあったそうです。
- 川から若い娘が流れてきて、その娘から生まれたのが桃太郎
- 赤と白、2つの箱のうち、選んだ赤い方の箱から桃太郎が出てきた
- 桃を食べたおじいさんの生まれ変わりが桃太郎
- 花見に行った時に拾った桃から誕生
- 桃の木から川に落ちて拾った桃から誕生
桃太郎女の子説?
香川県高松市鬼無町では桃太郎が女の子だった、とする話があるそうです。
桃を食べ、若返ったおじいさんとおばあさんに子どもができるまでは同じです。
その子どもが男の子のように元気のいい女の子が生まれ、それがあまりに可愛いので鬼にさらわれないよう桃太郎と名づけ育てました、というストーリーもあります。
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桃太郎の性格
おそらく、多く知られている桃太郎の性格は
「働き者」「真面目」
などという良いイメージだと思います。
ですが、中には
「力持ちで大きな体に育つが怠け者で寝てばかり」
「乱暴者で親の手伝いをしない怠け者」
という場合もあるそうです。
鬼退治も
人々を苦しめている鬼を懲らしめる目的(自主的、能動的)
村やお殿様に言われたのが理由(受動的)
という真っ二つに内容が分かれています。
桃太郎のお供はもともと人間?
桃太郎のお供といえば「犬・猿・キジ」ですね。
これはそれぞれ、
居ぬ
去る
帰じ
と字を当てられたそうです。
当時日本では、生まれた子供を育てる環境がないことから、子どもを川に流す「間引き」という風習があったそうです。
川から流れてきた桃から生まれた桃太郎。これは間引きされた子どもを意味しているそうです。
そして、
いない
去った
帰らない
という間引きを連想させる言葉になっています。
このことから、間引きされた命を成仏させようという気持ちがあったのではないかという説があります。
ですが、この由来は明治時代からで、途中設定されたもののようですので後付けの理由かもしれません。
鬼と桃太郎の由来
そしてもう1つ、鬼は
牛の角
虎の皮
をつけています。鬼のパンツは虎柄ですよね。
これは干支でいう「丑寅(うしとら)」という鬼門の方位です。
これと反対の「裏鬼門」は桃太郎とされ、そこから時計回りの干支が
申(さる)
酉(とり)
戌(いぬ)
だったことから、家来がこの3匹になったという話もあります。
そして、今はこの干支の説が有力だそうです。
お宝は誰のもの?
宝は誰のものか描かれていません。
基本的に桃太郎側の視点での勧善懲悪(かんぜんちょうあく:善を勧めて、悪を懲らしめる)物語となっています。
「鬼=悪い」というイメージがあるので、
「鬼の宝=悪いことをして得た宝」
という暗黙の了解があるかもしれませんが、そうでないなら桃太郎は強盗になります。
あの1万円札の福澤諭吉も、この桃太郎の話を出し「盗人」と悪者扱いし、自分の子どもに日々渡した家訓の「ひゞのをしへ」の中で桃太郎を非難しています。
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まとめ
主に桃太郎の続編を3つあげて紹介しました。
話の内容はフィクションではあるものの、ドラマになりそうな感じの話です。
昔はドラマみたいなものはありませんので、もしかしたらこういった話や舞台がドラマだったのかもしれません。
そう考えると、人の興味は今も昔も大きく変わっていないし、桃太郎1つとっても、色々な事を考えることができて面白いですね。
お子さんと桃太郎の話を読み聞かせしたときにも、この後の話はどうなるのか話しあったりしても良いかもしれませんね。