昔ほどではないと思いますが、今の時代もどこか正社員でないとダメ、イメージが悪いみたいな感じを受けます。
僕自身、時間を優先させるため、3年ほど契約社員で働いていました。
その間、正社員になるように会社や上司、職場の人からからは何度も言われていたものの、全て断って派遣や契約社員を経験していました。
ですので、正社員にならない事へのプレッシャーや周りの考えと意見が食い違う事は多く経験しています。
実際、どうするかはその人の勝手ですが、結論目的があって正社員以外をやっているならそれはOKだし、否定されるものではありません。
にも関わらず、正社員でない事を知ったら「定職に就け」と言ったり見下したりする人もいますね。
今の時代、そんな考えは古いというのが僕の考えですが、今回はそのことについてもっと突っ込んで考えてみました。
30年以上続いた平成が終わって令和の時代。そして働き方改革によって働き方の常識が変わりつつある今だからこそチェックしてほしい事です。
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正社員の中での非正規雇用者の肩身は狭い
冒頭でも書きましたが、僕自身、正社員という立場から離れている経験があり、正社員になる事も可能だった立場でした。
ですが、僕は頑なに拒否していて周りからはこう言われていましたし、思われていました(正確には「思われていたと思います」かもしれません)
- 何で正社員にならないの?
- 正社員になる気はないのか?
- 周りは正社員になる事を期待している
僕の場合、正社員という立場を選ばなかったという話ですが、やはり正社員がいる中だと肩身が狭いというか不公平だなという思いをしたことがあります。
働き方が違うだけで、働きにくい、果ては生きにくい時代になってしまうのは、
「正社員でなければ恥ずかしい」「正社員でないのはおかしい」
みたいな風潮がいまだにあるからだと思います。
もちろん、生きにくいというのはそれだけが理由ではないでしょうが、非正規で仕事をしている人は何かしら少なからず経験している事でしょう。
ですが、正社員じゃなくても生きていける、正社員にならずに済むなら、僕は非正規雇用で良いんじゃないかと思ったりしています。
僕みたいな考えは少数派だと思いますが、少なくとも正社員である事が普通であることに疑問を感じてほしいなと思います。
その理由など色々と紹介します。ひとつの参考としてご覧ください。
非正規雇用は少数派だからこそ立場が弱い
今の時代ほど、多くの働き方をしている人が多い時代はないでしょう。一昔前は正社員が当たり前で、あとはアルバイト、パートのような形でした。
ですが今は、派遣や契約社員など非正規雇用者も決して少なくありません。
繰り返しな感じも受けるかもしれませんが、正社員、要は正規雇用が当たり前で、正社員でないと「恥」みたいな風潮もありますね。
職種によっては当然変わってくるでしょうが、一定数そういった考えの人はいるでしょう。
徐々に少なくなりつつあると思いますが、いまだに「恥」と思う風潮は根強いと言えます。
そんな中でも、僕はむしろ正社員の方が損していることが多いのではないかと思ったりもします。
正社員じゃなくても生きていける時代ですし、その手段もある時代です。
僕自身は派遣社員を経験後、正社員に交じって、契約社員の立場で役職を持ち、正社員よりも責任の重い役割をやっていた経験があるので正社員である必要は必ずしもないと考えています。
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非正規雇用者の割合の推移
じゃあ本当に非正規雇用者は少ないのか疑問に感じた人もいるはず。
なので、日本に非正規雇用者はどのくらいいるのかを数字で見てみます。いずれも厚生労働省の確かな情報からピックアップしました。
まず非正規雇用者がどのくらいの割合でいるかについて解説します。
結論を言うと割合としては「6:4」で正規雇用者が多い状態となっています。以下は厚生労働省のデータとなります。
もしかしたら、これを読んでいるあなたは「非正規雇用者が増えた」と思っていたかもしれません。
ですが、非正規労働者数は毎年徐々に増えているものの、非正規雇用者の割合はそれほど変わっていません。
それどころか、平成28年から29年へは割合が微妙に減っています。
そして非正規雇用者の働き方の内訳は
- パート:49%
- アルバイト:20.5%
- 派遣社員:6.6%
- 契約社員:14.3%
- 嘱託社員:5.9%
- その他:3.8%
となっています。
派遣、契約、嘱託(しょくたく)社員とわけると訳が分からない方もいると思いますので簡単に解説します。
派遣社員は派遣会社に雇われて、労働先に出向する社員の事です。要は、労働先の社員ではないので、給料は派遣会社から支払われます。
そのため、労働条件でトラブルがあっても、派遣会社が間に入ってくれますし、場合によっては出勤を断る事も出来るので働きやすい形態と言えます。
僕も派遣で働いていた期間がありましたが、労働先に雇われているわけではなく、派遣会社が間に入るので働く上での気持ちは非常に楽と言えます。
契約、嘱託社員は大きな違いがあるわけではありません。
嘱託社員は定年退職後の再雇用での形態や、医師・弁護士などの高度なスキルを持つ人が仕事を依頼され勤務先の会社に雇用された場合と定義されているようです。
ですが、法律上の規定ではないので、嘱託に当たるような契約でも、「契約社員」と言われているケースもあるでしょうし、その逆もしかりだと思います。
ザックリ違いとしては「雇用先」であり
- 派遣社員・・・派遣会社に雇われて、指示により出向する社員。
- 契約・嘱託・・労働先の会社に直接雇われる
という違い程度にとらえてもらえればOKだと思います。
上の囲みから、非正規雇用をまとめて先程の労働者の割合まとめると以下のように庵が得ることができそうです。
- パート・アルバイト:69.5%
- 派遣社員:6.6%
- 契約・嘱託社員:20.2%
- その他:3.8%
そして正規雇用(正社員)を含めた全労働者の中の割合におおよそ換算すると以下のようになります。
- パート・アルバイト:25.9%
- 派遣社員:2.5%
- 契約・嘱託社員:7.5%
- その他:1.41%
労働者4人に1人はパートまたはアルバイトであり、10人に1人は派遣・契約・嘱託社員という事になります。
労働者100人の会社なら、正社員は約65人(65%)となるので、確かに非正規社員は少数派で立場が弱い事を考えると肩身が狭い傾向にもあるかもしれません。
ここまでのまとめ
- 環境次第だが、正社員(正規雇用)以外は世間的に肩身が狭い
- そのことは、労働者の数字を見ても明らか
そもそも正社員とそれ以外の違いに関連して、「常勤」「非常勤」と言った所にフォーカスを当てた記事もあります。
その記事も参考になる所はあると思うので、よろしければどうぞ。
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「正社員じゃないといけない」は必ずしも正しくない
うつ病になり、休暇を取得した大企業社員のうち、5年以内に再発、休暇を再取得した人は47.1%だったそうです。
これは厚生労働省研究班の調査によるもので、復職後1年以内の休暇再取得割合は28.3%、2年以内で37.7%という最低4人に1人は元に戻ってしまうという結果です。
精神的な病気は完全には治らず、繰り返すリスクと隣り合わせになっていることがわかります。
そして、僕自身医療の人間なので、いろいろな患者さんを見てきましたが、精神を病む人は本当に年齢が幅広いです。
仕事を始める20代の若者だけでなく、就職して管理職経験をしているであろう30~40代の人にも非常に多いです。
仕事ではないですが、受験ストレスや人間関係の疲れなどで10代の患者さんも非常に多いです。
仕事を終えて、病院に行き、薬をもらう。月1回の人もいれば、1週間や2週間に1回受診している人もいます。
いくら正社員で働こうが、激務、責任の重さ、職務へのプレッシャーで精神を病んでしまっては元も子もありません。
仕事の後に病院に行く、それが大変で、本人が一番つらいことが想像できるでしょうか。
正直僕は精神を病んで受診したことはないのでわかりません。ドライですが「わかる」と言えば嘘になりますので。
ただ例えるなら、登校拒否して、学校に行きたくない子どもを理由も聞かず無理やり学校に行かせるようなもので子どもへの虐待や体罰と同じようなものでしょう。
それを考えると「正社員崇拝主義」なるものは、どこか子どもの「子どもは学校に行くものだ」といった教育の延長線上にあるようにも感じます。
教育に関して言えば、もちろん僕は専門家でも教師でもありませんが、親がしっかり教育してネット環境などを整えるなどして勉強させれば学校に行く必要はないと思っています。
もちろん、コミュニケーション力を育むために他の子たちと触れ合う事は大切ですが、学校でなくてもやろうと思えばできますし、そういった教育をしている親御さんもいます。
生きていく上で本当は答えはたくさんあるのに、テストの解答みたいに、特定の答え以外は誤りといった事が精神を病む人を作り出した要因の1つと言えるでしょう。
社会に出ると正解は人の数だけありますからね。そう考えると「正社員は正しい・正社員でないといけない」といった解答は間違っていると考えることだってできます。
仮に「正社員が正しい」という事が正解と仮定しても、精神を病んで正社員を続けられなくなったら結論不正解だったという事だと思うのは僕だけでしょうか。
もちろん、そんな事は結果論に過ぎませんが、『「正社員」が正解だとは限らない』という認識は重要だと僕は思います。
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正規雇用(正社員)の有利点:給与と信用
収入の面で考えてみます。これは言うまでもなく正社員に軍配が上がります。
ある程度働けば有給ももらえる、ボーナスもある程度はもらえる、休みの保証もないわけではない(休み返上で働いている人もいますが…)
非正規雇用者はそういった制度は恵まれていません。おまけに時給制だったりするのと、社会保険が適応にならなければ極めて収入に格差が出ます。
これを理由に「正社員になれ」というのなら話は僕も分かります。
正社員になるか、契約社員などの非正規雇用になるかの判断基準はこの「お金」だと思います。
そして正社員じゃなくても生きていけるかどうかの判断基準は「お金」だけだと結論付けても言い過ぎではないでしょう。
お金だけでなく社会的評価も高い
これは身近な事ならクレジットカードを作るときに差が出ます。
銀行でちょっとしたお金を借りるのも、信用がないと借りれませんし、失業保険をもらっていても無職なら借りられません。
そのため、非正規雇用者はクレジットカードの審査が通らない危険性があります。
ちなみにですが、もし正社員で非正規雇用になろうと思っている場合は、クレジットカードは正社員のうちに作っておいた方が良いです。
そして、賃貸でマンションを借りるのも少し大変になる可能性が非常に高いです。
審査を要するものの場合は通らない可能性がある事も覚えておかなければいけません。
これはかなりつらいですよね。
非正規雇用の有利点:待遇面
労働時間や曜日など自由に決められて、職種も決められてかつ残業や面倒な仕事もない。
休みも保障されているから自分の余暇の時間をゆっくり過ごすこともできるし、精神的にも楽になり、健康にも良いです。
そしてやりたいことがある人にとっては、この非正規雇用の働き方はベストと言えます。
ある程度の時間を確保しつつ、そのやっている事が収入にならなくても生活は保障される。
仕事にやりたいことにと両立することが出来る働き方が非正規雇用の最大のメリットです。
収入面や信用と待遇面。これが両てんびんにかかった時にどちらに重きを置くか。非常に重要なポイントでしょう。
ご自分のライフスタイルや職種によって判断は異なるでしょうがそれぞれの良い面なども見ながら正社員でいる事を見てみると良いでしょう。
ここまでのまとめ
- 正社員至上主義ともいえる考え方が、日本の精神病患者の増加の一因になっているかもしれない
- その原因のもとは日本の教育システムにもあると考えられる
- 正規か非正規になるかは、収入面と待遇面を両てんびんにかけた結果
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最終的には自分が幸せかどうか
結論、収入面で問題があっても、どちらの道を選ぶにしろ、最終的には自分が幸せかどうかでしょう。
ちなみに日本は世界的に見て幸福度は低い国のようで2015~2017年までは世界で54位のようです。
引用:国連「世界幸福度報告書」(英語・PDF)(https://s3.amazonaws.com/happiness-report/2018/WHR_web.pdf)
たしかに正社員は安定していると言えるかもしれませんが、このご時世、いつリストラや減給、早期退職制度などにお声がかかるかもわかりません。
正社員のイメージは昔と変わりませんが、待遇は悪くなっています。
この正社員のイメージと実際の格差の例の一つに、「副業禁止」という考え方があるのではと僕は思っています。
副業禁止も昔のバブルの時代や高度経済成長期なら企業年金や毎年給料は上がる状況なので通る話ですが、今の時代、そうも言ってられなくなっています。
働き方改革で、令和には副業が当たり前で「副業禁止」の会社は少数派となるでしょう。
実際、僕の周りにも「正社員だけど他に仕事してお金を稼ぎたくて…」と言っている人もいます。実際に相談されたこともあります。
「お金」というものが、どの人も問題になっており、これをいかにクリアできるかが生きていく上で重要です。
「正社員じゃなくても生きていける」、これは結論「お金の問題がクリアになるかどうか」と言えます。当たり前かもしれませんが、やはりお金でしょう。
これがクリアになれば非正規雇用でも十分問題ありませんよね。
どうやってクリアにするか。非正規雇用で仕事を掛け持ちするといった働き方の人でも良いですし、人それぞれです。
少なくとも、「正社員」が安定していて「非正規雇用」が肩身の狭くなるような雰囲気は間違っていると思いますし、正社員が安定の時代は終わるでしょう。
今やどんな立場の人も副業が必要!?
働き方改革で副業に注目が集まりつつありますね。
職種などによっても変わってくるでしょうが、一つの仕事だけやっている時代は終わりつつあると個人的には思っています。
それに、一つの仕事では立ちいかなくなっている職種もあるし、新型コロナウィルスの影響でそれが色濃くなっているはずです。
時代的に、そして状況で副業により注目が集まっているのではないでしょうか。
少しでも稼ぎを増やすための手段のひとつとして副業は必要なものであり、それは正社員とは非正規雇用とか関係ありません。
むしろ正社員よりも非正規雇用の方が副業がしやすいかもしれないし、実際に副業の稼ぎの方が良い人もいます。
そういう意味で正社員が正義みたいな考えは時代遅れと言わざるを得ないでしょう。
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まとめ
まとめると、「正社員じゃなけれな生きていけない」みたいな風潮は社会が作り出したもので、一昔前は通用しても現代では通用しません。
そう思えるかどうかの基準は「お金」ですが、正社員じゃなくても生きていくことは出来ます。
そのことに気づき、自分はどうするか、どうしたいかという事を学んで、そして行動する非常に大切だと思います。