ゲームは人生の役に立つ。(小幡和輝)は「ゲーム」の取扱説明書です

ゲームは人生の役に立つアイキャッチ レビュー

 

にっしん
にっしん(@nisi_otabloger)です。

 

今回は1冊の本を紹介したいと思います。それはこちらの本です。

 

ゲームとの付き合い方など、ゲームとの関係性を書いた本であって、ありそうでなかった内容でした。

 

僕もこういった本やビジネス書、自己啓発本は過去に軽く100冊以上は読んでいますが、個人的にかなりの良書でした。

 

本書を特にオススメする人は以下の通りです。

  • ゲームに良いイメージを持っていない人
  • 子どもにゲームをやめさせたい親御さん
  • ゲームをする人やオタクな人を馬鹿にしている人
  • 逆にゲームが好きな人やオタクの人
  • 学校の先生などの教育者

これらに該当しなくてももちろんオススメできますが、該当する方は特にこの先の内容や、本書を勧める理由をチェックしてほしく思います。

 

オススメできるポイントを以下に紹介します。

 




オススメポイント① ゲームに対する意識が変わる

まず読んでの感想は、ゲーム自体のイメージや意識が変わります。

  • ゲームをしている人もそうでない人
  • ゲームが好きな人もそうでない人
  • ゲームにいいイメージがある人も悪いイメージの人

どの人も変わります。

 

こういった本は割とゲームに対しネガティブな人に対して書かれるものですが、ゲームに対して良いイメージや好きな人に対しても書かれています。

 

ちなみに「ゲーム」といっても、本書では幅広く捉えています。

  • テレビゲーム、スマホアプリのゲーム
  • カードゲーム
  • 囲碁や将棋など、広い意味でのゲーム

本書ではカードゲームに対して比較的多く語られている事が多いものの、「ゲーム」というものに対して広く取り扱っています。

 

そして、一言で本書のイメージを言うと

『「ゲーム」というものとの付き合い方の指南書』

といったところしょうか。

 

にっしん
もっと分かりやすく言えば「取扱説明書」だと思います。

 

と言っても、マニュアル的なことは書かれていませんので、それぞれが発見して答えであったり、新たな気付きを得ることのできる本です。

 

例えば、ゲームが好きでも、好きな度合いや関わり方、その人を取り巻く環境はそれぞれ違います。

 

僕はポケモンが好きですが、「ポケモンのゲーム」が好きな人を10人集めても、10人それぞれ関わり方は異なります。

 

それと同じで、本書は10人読めば10通りの解釈ができると思いますし、どうすれば良いかも10通りの方法が浮かぶはず。

 

そんなアイデアや方法が自然と浮かぶような内容になっています。

 

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オススメポイント② ゲームは能動的に関わる事が重要だとわかる

ゲームは用意されたシステムや環境をプレイしていく要素が非常に強いですが、それだけになってしまうことに対して警鐘を鳴らしています。

 

例えば

  • 単にクリアしたりせず、制限(特定の武器を使わないなど)してプレイする
  • カードゲームなら人のデッキを真似したりするのではなく、自分で考えてその選択の理由を考える

といったことを著者の小幡さんの経験を通じて紹介しています。

 

仕事でも同じことが言えるでしょう。上司や顧客から言われたことを単にこなすのではなく、自分で問題点を見つけて改善している。

 

  • ルーチンな作業でも1分でも早くこなす方法はないかと考える
  • それだけでも仕事の関わり方が変わってくるし、言われてやるのではなく、自ら意識して行う

要は受動的ではなく能動的に行動することですが、ゲームでもそれは可能です。

 

先程、著者の小幡さんの例でもそうですし、ゲームでも

  • どうやったら早くボスを倒せるか?
  • そのボスの弱点は何か?
  • どの武器を使うと有効か?

などといった点は仕事に応用が可能です。

 

このようにゲームから仕事に対しての姿勢や考え方を学ぶことができます。社会人になる前にそういったことが自然と学べるのは貴重と言えるでしょう。

 

そういったことを脳科学者で有名な茂木健一郎さんなどとの対談を通じて色々語られています。

 

にっしん
僕が本書で一番チェックしてほしいポイントです。

 

オススメポイント③ ゲームの良い部分だけを言っているわけではない

小幡さんは

  • 約10年間不登校
  • 1日中ほとんどをゲームに費やした
  • その時間は3万時間以上

という、完全なゲーマーです。

 

「ゲーマーなんだから、ゲームを肯定することを書くよね」

と思った人もいるはずですし、僕も読む前は思っていました。

 

僕もオタクであってゲーム好きですが、そういった趣味に対して否定的な人たちは多く見てきています。

 

なので、ゲームが好きな側の人の意見を言っても説得力がなかったり、一方的な意見で全く響かない意見を言う人もいます。

 

正直、本書ももしかしたらそんな本なのかなと最初は思っていました。もしそうだと読んでいてもつまらない、発見はないと思っていました。

 

ですが、ゲームの悪い部分も指摘していて、ゲームとの付き合い方を間違えると、ゲームは害になる点も指摘しています。

 

一方的に「ゲームは良い」「ゲームは悪い」といった指摘ではなく、ゲームの悪い部分も指摘しています。

 

ネットでのニュース記事を見ると、「ゲーム障害」などの点を指摘して、ゲームをさせることが悪いこと、ゲームを触れる年齢は遅い方がいいと専門家などが指摘しています。

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たしかに、その意見も間違っているとは思いませんが、一方的なものの見方であるケースが非常に多いです。

 

一方的な見方であるがために、ゲームを好きな人、肯定的に捉えている人の肩身を狭くして、場合によっては精神的に追い詰めているケースもあると思います。

 

医師などの医療者がそういった指摘をする事で、ゲームが好きな人を精神的に追い詰めて極端な話ですが、患者にする。

 

そうなっては医療者として本末転倒な事になっていると感じるのは僕だけでしょうか(ちなみに僕も医師ではありませんが医療者です)

 

一方的なものの見方は間接的に人を苦しめる結果にもなりうると感じています。

 

その面、本書はゲームの良い部分と悪い部分の両方の指摘がありバランスが良いと感じました。

 

 

例えば、人の性格は長所と短所がありますが、それは紙一重です。

 

ゲームもそれと同じで、「善」ととるか「悪」ととるかは紙一重であるという点がよくわかります。

 

扱う人の扱い方、捉え方によって「善」にも「悪」にもなりますし、そうなるポイントについて把握することでゲームを「善」にできます。

 

本書はその「善」とする方法、「悪」にならない方法についても知ることができます。

 

だからこそ

  • ゲームをしている人もそうでない人
  • ゲームが好きな人もそうでない人
  • ゲームに良いイメージがある人も悪いイメージの人

どの人の意識も変わるし、オススメできるわけです。

 

 

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オススメポイント④ 人生レベルでゲームを捉える必要性

ゲームをするのが当たり前になっている時代、ゲームをしていないと共通言語を見つけるのが非常に難しくなり、職場の人間関係などに困るといった点も指摘しています。

保護者の中には、子どもにゲームをさせないようにしている方もいると思うけど、今後ゲームがなくなることはないし、むしろどんどん増えていく傾向にあるのだから、ゲームをしないことで将来その子は苦労することになると思う。

ゲームは世代を貫く“横串”となる共通言語なのだ。

「ゲームは人生の役に立つ。 ~生かすも殺すもあなた次第」(小幡和輝) 101ページ目より引用

 

もちろん、ゲームに対しての姿勢がありきですが、ゲームを「悪」として禁止することによる弊害を指摘しています。

 

「ゲームをやる人の主張だ」と捉えてしまうとそれまでですが、それをなくしても納得いく説明がなされていますし、ゲームをする僕も「なるほどなぁ」と思う点が多かったです。

 

特に子どもにゲームをさせたくないと考えている親御さんにはチェックして欲しい部分だなと思います。

 

ポイント③でも述べたように、「善」となる部分があります。人生レベルで見た場合、ゲームを「善」として扱うことができれば、有益なもの、人生を豊かにすることができるものとしてゲームにかかわることができます。

 

ゲームによって仮説を立てて物事を検証していく力を鍛えるのに役立つ点も指摘していたり、親子関係について書かれている部分もあるので、親子とゲームとの関わり方について考えさせてくれるキッカケにもなりうると思います。

 

にっしん
「善」の部分をしっかり取り入れれば、ゲームは人生の役に立つものになります

オススメポイント⑤ ゲームは「媒体(キッカケ)」である点

ゲームは単にプレイするものではなく、人と人をつなぐ「媒体(キッカケ)」である点も紹介しています。

 

世代間を超えて仲良くなったりコミュニケーションをとるツールとしてゲームを紹介していて、むしろこの点に関して多く語られています。

 

僕もポケモンオタクとして、全国巡ったことがあり、その中で日常生活では絶対に会うことがなかった、ネットで仲良くなった人にも会ったりしました。

 

ネットで知り合った人と会う事にネガティブに考える人もいますが、僕は会ってみて良かったと思いますし、ポケモンというゲームを通じて新しい人間関係ができた事に感謝しています。

 

そのお陰で、初めましての人と会うことも、あまりおっくうではなくなりましたし、人見知りも多少なりと改善されたと思っています。

 

僕にとってはポケモンが媒体(キッカケ)になったように、ゲームはコミュニケーションの媒体になります。

 

先ほどの「共通言語」ができたことで、世代を超えて盛りあがれる。

 

ジェネレーションギャップなどで、どうしても超えられなかった壁をゲームがいとも簡単に超えてしまう。そんな力がゲームにはあります。

 

これがゲームの「善」の部分であり、そこをうまく活かす方法を、小幡さん(著者)の経験を通じて多く紹介されています。

 

まとめ

以上のようにゲームには多くの可能性がある。でも扱い方を間違えると「悪」にもなり得ます。

 

「悪」にしない、「悪」のままにさせない方法やそう考えるキッカケがふんだんに紹介されているのがこの本「ゲームは人生の役に立つ」です。

 

再度特にオススメする人を紹介すると以下のような人たちです。

・ゲームに良いイメージを持っていない人

・子どもにゲームをやめさせたい親御さん

・ゲームをする人やオタクな人を馬鹿にしている人

・ゲームが好きな人やオタクの人

・学校の先生などの教育者

もちろん、再度になりますが該当しなくても一読するのを強くオススメします。

 

これからの時代、ゲームはなくならないどころかどんどん進化していきます。楽しめたり面白かったりする「善」の部分が出る反面、弊害が必ず生まれ、新しい「悪」の部分も今後出てくると思います。

 

ですが、これはゲームに限らずどんな事にも言えます。光があれば、そこに差し込む影があるのと同じです。

 

ゲームの「悪」の部分を極力防ぐための問題点を考える材料のひとつになりますし、本書で書かれている事はこれからの時代求められる、必要な考え方になりえると思います。

 

こちらのページで一部内容を見ることができます(こちらをクリック)

 

 

にっしん
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