にっしん(@nisi_otabloger)です。
紫外線の強さは晴れている日の方が強いのが一般的ですが、中には
「曇りの方が紫外線が強い」
と聞いたことがある人もいるかと思います。
「そんなはずない」と思いながらも、自分より人生経験があって、さも本当のことかのように言われたら「そうなのかも…」って思ってしまうかもしれません。
実際のところどうなのかということについて色々調べてみました。
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雲の日が注意が必要なのは「光の散乱」と「油断」
最初の疑問
「曇りの日の方が紫外線が強い」
これは、薄曇りの場合であれば起こり得ます。薄曇りなら雲の日の方が紫外線量が多くなるケースもあります。
注意点は必ずしもそうではなく「多くなるケースがある」ということです。
薄曇りで、その雲の隙間から太陽の日差しが入ってくるときは、快晴よりも紫外線量が増すことがあります。
それはなぜかというと「光の散乱」によるものです。
紫外線が雲に入ると、紫外線は雲の中の水蒸気などで反射します。それが繰り返されて一部地表まで届きます。
もちろん雲の状況によるので、一概に強くなるとは言いにくいですが、その散乱光がプラスされると快晴の時よりも紫外線がプラスされることがあります。
そして、晴れている日よりも「紫外線は大丈夫だろう」と油断しがちになるのではないでしょうか。
仮に紫外線量が少なくとも、「油断」によって晴れている日より紫外線の被害を受ける可能性もあります。
そういう意味では、相対的に紫外線量が多いと考えても良いかもしれませんね。
薄曇りってどんな雲?
「薄曇り」というのは、天気予報では「晴れ」として扱われます。ですので「晴れ」と言われても薄曇りの可能性も十分にあります。
どちらにせよ紫外線量に注意する事には変わりませんが、雲がやや多く、雲の隙間から太陽が出ている場合は要注意ということですね
ちなみに薄曇りの定義は
「雲量が9以上であって、上層の雲が中・下層より多く、降水現象がない状態」
です。
雲量というのは、「空の全天に占める雲の割合」の事で、どれだけ雲が空にかかっているかを表すものです。
分かりやすくすると、薄曇りというのは
「かなり雲が多いけど、高度の高い雲が、高度の低い雲より多い状態で雨が降っていない状態」
と言えます。
雲量は日本では0~10、国際方式では0~8で表されます。薄曇りは雲量が日本表記で「9」なので、雲の占める割合が非常に多いという事ですね。
ちなみに「曇り」は「薄曇り」の上層の雲と中・下層の雲の量が逆の時です。
要は
「雲量が9以上であって、中・下層の雲が上層より多く、降水現象がない状態」
は「曇り」です。
天気予報上は「曇り」となるので、「薄曇り」とは区別されます。似ているようで同じものではありません。
混乱しますよね(笑)わかったのは薄曇りは雨雲のように雨を降らす雨ではないということくらいですね。
雨になると紫外線量は減りますので、紫外線的に考えれば降ってくれればいいのにってところでしょうか(笑)
じゃあ、具体的にどんな形の雲が紫外線量が多くなりそうなんだと思いますね。次はその雲の種類について紹介します。
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雲の隙間から太陽の光が差し込む雲はどんな雲か?
先にことわっておきますが、この紹介する雲が必ず快晴より紫外線量が強くなる保証はありません。
雲の状況や複数の種類の雲が重なっているケースもあり、それにより紫外線量も変わってくるはずなので明確な定義は不可能だということを先にお伝えします。
その上で紹介しますと、まず紫外線量の多い曇りは
「薄曇りで、隙間から太陽の光が入ってくる状態」
でした。
そして、薄曇りは、
「高度の高い上層の雲が、高度の低い中・下層の雲より多く、雨雲じゃない」
というものでした。
そこから考えるに、可能性としてある雲の種類は4種類です。
- 巻雲(すじ雲)
- 巻積雲(うろこ雲)
- 巻層雲(うす雲)
- 高積雲(ひつじ雲)
こういった雲だと、隙間から太陽光が入ってきて、かつ雲による散乱光が地面まで降り注ぐ可能性があるでしょう。
雲の高度に関しては以下のようなイメージです。
出典:津地方気象台ホームページ (https://www.jma-net.go.jp/tsu/bosai_edu/cloud.html)
今紹介した4つの種類の雲が比較的上層の雲だというのがお分かりいただけると思います。
それぞれ紹介します。
巻雲(けんうん)(すじ雲)
出典:津地方気象台ホームページ (https://www.jma-net.go.jp/tsu/bosai_edu/cloud.html)
「すじ雲」以外にも、「はね雲」「しらす雲」とも呼ばれます。
はけで伸ばしたような、細い雲が散らばった形の雲で、絹のような光沢をもつ事から絹雲(きぬぐも)とも言われます。
糸や羽根、曲がったり、反り返ったりなど色々な形があります。
巻積雲(けんせきうん)(うろこ雲)
出典:津地方気象台ホームページ (https://www.jma-net.go.jp/tsu/bosai_edu/cloud.html)
魚のうろこや水面の波のような形状なので、うろこ雲、いわし雲、さば雲とも言われます。
積雲が絹雲と呼ばれるように、絹積雲とも言われるようです。
形状は後に出てくる高積雲と似ているので判別が難しいようですが、それぞれ雲の
高さ(巻積雲の方が高い)
大きさ(巻積雲の方が小さい)
薄さ(巻積雲の方が薄い)
で見分けが可能です。
と言っても、肉眼で確認したりするのはきっと不可能でしょうね。
巻層雲(けんそううん)(うす雲)
出典:津地方気象台ホームページ (https://www.jma-net.go.jp/tsu/bosai_edu/cloud.html)
白いベール状の雲で、薄い雲、空の広範囲を覆うことが多い雲です。
空を覆っていても、非常に薄いので太陽光は透過します。
その薄さは空との見分けがつきにくいくらいで、この薄さのため、太陽光を屈折させたりしやすいようなので、雲がかかっている時に一番注意の必要な雲かもしれません。
太陽からの光が漏れないものの、反射する事で地表に紫外線が降り注ぐ点を考えれば最も油断しやすい雲だと言えるので、巻層雲の時は、紫外線対策を意識して外出されると良いかと思います。
高積雲(こうせきうん)(ひつじ雲)
出典:津地方気象台ホームページ (https://www.jma-net.go.jp/tsu/bosai_edu/cloud.html)
高積雲に関しては、分類が中層雲なので、薄曇りの定義からは外れるかもしれませんが、高度によっては上層雲と同じと考えられるため、可能性のある雲として入れました。
小さな塊状の雲が群れのように斑状や帯状の形をもつ雲のことで、まだら雲、ひつじ雲、叢雲(むら雲)とも言われています。
先ほど出てきた巻積雲と形状が似ていますが、厚さがあります。
高さは他の3種類よりも低い場所で、中層雲に位置する雲です(残りの3種類は上層雲に定義されています)
まとめ
曇りでも紫外線量が快晴よりも多いというのは一部本当の話です。
ただ、曇りの条件下では、雲の量などといった不確定要素が非常に多いので、一般的には紫外線量は低下すると考えても差し支えはないでしょう。
明確な答えを出すには実際に測定してみないとわかりません。
ただ、真夏などの紫外線が強い時期は、どちらにせよ対策が必須であることに変わりはありません。
快晴よりも強くなるかもしれないけど、油断しがちという点では快晴よりも対策が必要な天気という見方もあります。
肌を守ったりしたいのであれば、紫外線は常に油断大敵!と思った対策が必要といえますね。
参考になれば幸いです。
紫外線に関係した有害な作用についてはこちらの記事で紹介しています。よろしければ合わせてご覧になってください^^
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