僕自身オタクで、しかもコレクター気質なので色々なものを集めて来ましたが、コレクションするというのはかなりしんどい作業だったりします。
単に緩く「集める」という程度なら問題ありませんが、「コレクション」というレベルになると話は別です。
言葉の意味的には日本語と英語の違いで、僕の認識ではありますが、それぞれ以下のように考えています。
集める→良いなと思ったら買ってそろえる程度の話
コレクション→こだわって、その対象ならとにかく用意する行為
単純に好きを超えて、どこか義務感やプライドでやっている感があります。少なくとも僕はそう思っています。
そしてオタクはそういった状態になりやすく、最終的にそれに「疲れる」という一種の自爆のような状況に陥りやすいです。
ゲームやアニメでも何でも、それを提供している運営側は売り上げなどを見込んで商品を売り出してきますが、それについていけなくなるんですよね。
ライブとかだと、チケットの当落も関わってくるので、それで精神をそがれたりして、それがキッカケで追いかける事に疲れて引退したりなど色々あります。
僕も色々な事を何度も経験して、それに疲れてしまった人間の1人です。
なぜそうなるのか?僕の経験を通して色々と解説します。
スポンサーリンク
最初は軽い気持ちで集めていた
最初グッズを集め始めた理由は単純です。
「その対象が好きだから」といった理由で、それはグッズを買ったりする人に共通した感情だと思います。
最初は好きなものが手に入るし、物欲が満たされて楽しかったです。それに買い物は楽しいですからね。
はじめはそれだけなんですが、色々集めていくうちに行動がエスカレートします。
- 特定のグッズだけでなく、そのグッズのシリーズが出たらそれを全部購入する
- 特定のアイテム(クリアファイルなどかさばらないもの)は、出たら、見つけたら全部購入
- 何かの商品(例えばアイスなど)とコラボして、応募物があったら大量購入する
そうする前は「そんなに買って大丈夫なのか?」と自分を諭す声が聞こえます。天使と悪魔が頭の中にいる状態ですね。
最初はその天使と悪魔が出てくるのですが、それを繰り返すうちに感覚が麻痺していきます。
そうなると判断すらせず「集める」という行動に出ます。
グッズのシリーズを集めるという行為は当たり前になり、それが1種類だったのが2種類になり3種類…とどんどん買うようになります。
それが「集める」から「コレクション」へと変わっていきます。
集める行為に疑問を感じながらも、集めてしまう行為に対して合理性を考えるようになります。
- 集めて綺麗にディスプレイする
- 写メに撮ってブログやTwitterにアップする
- 「その対象が好きならこれくらいしないとダメ」という意味不明な義務感
といった思考になりました。
こうして行動がエスカレートして、部屋中グッズで溢れかえるようになります。
行動はどんなことでも言える
ただ、こういった行動ですが、この行動がエスカレートするのはどんなことでも言えるかもしれません。
もちろん、これが良い事や自分が成長する事なら素晴らしい事だと思います。でもオタクの収集する行動は正直褒められたものではありません。
そしてどんな事でも最初は自分の行動や感情、衝動に疑問を感じるでしょう。「本当にこんなことをしても良いのか、大丈夫なのか?」って。
でも、それが達成されたり行動することで、枠をひとつクリアして違うステージに上がります。
そして新しいステージをクリアしてどんどん行動の幅が広がります。
ゲームで言えば、色々な街や城に行って行動範囲が増えて、新しい魔法を覚えて戦い方が増えていくというのと同じでしょうか。
リアルの行動でも、恋愛だったら
- 連絡先の交換
- デートに誘う
- デートする
- 告白する
- 付き合う
みたいに、行動のレベルが上がりますね。
悪い意味なら犯罪に手を染めるのもきっとそうでしょう。どんなことでも行動が徐々にエスカレートしていきます。
良くも悪くも感覚が麻痺してくるんですよね。麻痺することで次の行動に疑問を感じながら行動。
そしてまた違うステージに進む、といったことが起きてきます。
これはオタクでも言えることで、グッズのコレクション、「ものを追いかける」という行為にも当てはまります。
スポンサーリンク
追いかけ続けて徐々に疲れてくる
先ほど例に出した恋愛なら、2人の間で徐々に進んでいくので、ペースはある程度ならコントロールしようと思えばできます。
ですが、物を追いかけるという行為はコントロールできません。
グッズの販売はそれは販売している会社がやることですので、待ったなしです。
自分が待ってほしくても当然待ってくれません。
その会社を自分が所有しているなら良いですが、そうではないので、自分の意図と反してどんどんグッズを出して来ます。
この自らの意志ではコントロール不可の物を追いかける。これが半年に1回くらいなら問題ないと思いますが、毎月だと相当きついです。
追いかけるという事がきついというのもあるし、金銭的にきついというのもあります。
そして物欲は満たせても、家の中はグッズだらけ。その物だらけの状態を見てうんざりします。
「なら追いかけるのをやめたら良いじゃん」って思うでしょうね。でもやめられないんです。
やめてしまうと
「今まで追いかけたという行為を否定する」
「習慣にしていたことをやめることへの心理的負担や抵抗感」
「その好きなものへの愛が足りない」
といった心理にかられます。
鼻で笑っちゃうような内容もありますが、色々なものが「やめる」という行為を妨害します。
「くだらない」と笑うかもしれませんが、オタクとして「ハマる」という事は一種後戻りできない事でもあります。
もちろん依存性はないので、自らの意思でどうにでもなる事ですが難しいんですよね、これが本当に。
でも心の中では「終わりにしたい」と思っていたりします。
「やめる」という感覚も麻痺らせると良い
ただ、この解決方法も難しくなく、「やめる」という行為をひとつずつ繰り返して、感覚を麻痺させていけば良いだけです。
どんなものでも良いから、なにか1つでも手放す。それだけでも何かが変わるのがわかるはずです。
もちろん、それで失うものもあるかもしれませんが、得られるものも大きいはずです。
それが具体的に何かは人それぞれなので具体的には言えませんが、得られるものの方が大きいはず。これは確実に言えます。
僕も毎週行っていたグッズを売っているショップに行くのをやめた事からはじめました。
最初は抵抗がありましたが、一度でもそれを経験すると、なんて事はありません。
その行動を増やしていく事で、徐々に物を追いかけるということから脱することができます。
僕は集めまくったグッズを処分するのに半年以上かかりましたが(ヤフオクなどでほぼ全て販売したため)、物を集めるということから卒業できました。
スポンサーリンク
好きなことがグッズを購入することではない!
オタクがグッズを集めるということから脱する際に「愛が足りない」みたいな心理になることがあります。
もちろんそんなこと1ミリも思わないで購入する人がいることも事実ですが、僕みたいに変な義務感で行動する人もいるはずです。
そんな僕みたいな人に言いたいのは
「グッズ購入が愛を測るものではない」
ということです。
作っているメーカーやお店は販売を目的にしているだけで、愛を測るためにおいているわけではありません。
それにその対象が好きなのも一方的な感情なので、逆を言えば自分でコントロールして好きにしても問題ないということです。
それなら、自分の好きなように義務も感じずに行動したって問題ないということになります。
例えば、アイドルグループのファンで
「推しへの愛が足りない」
などという人がいますが、そんなものはただの方便です。
表現の仕方は人それぞれなので、それで「愛が足りない」などというのは単なる価値観の押し付けでしかありません。
これは恋愛で言えば
「誕生日プレゼントをプレゼントしないと愛が足りない」
などというのと一緒でしょうか。
もちろん、相手のことが大切なら、何か考えるでしょうが、プレゼントをするだけが全てではなく、色々な表現の仕方があるはずです。
にもかかわらず
「誕生日プレゼントをプレゼントしないと愛が足りない」
というのは価値観の押し付けだと思うのは僕だけでしょうか。
サイトや記事などでも
「こういった時や日には~を贈る(する)のが当たり前」
みたいなことも価値観の植え付けですね。
もちろん、それを全否定するわけではなく、スタンダードを知るには良い方法だとも思いますが、スタンダードを知る程度にとどめないと、変な義務感にかられます。
若干脱線していますが、オタクの物を追いかける心理も、自分を自分で価値観を植え付け、説得して自爆するといった循環になっているように思えてなりません。
こう考えると、どの人も何かしらの価値観で生きていると言えますが、オタクのグッズを集める行動はちょっと大きく振り切れていると言えます。
スポンサーリンク
まとめ
オタクの場合、全員ではないものの、どこか物を追いかけることが当たり前になっていたとしても、どこか疑問を感じているなら、その行動を何かひとつでも良いからやめてみることです。
そこで見えることがあるし、やめてみてスッキリしたりなどポジティブな気分になるなら、それは自分が心から望んでいたと言えるでしょう。
自分を実験するくらいのつもりで一度やってみてはどうかなと思います。
必ず何か見えるものがあるので、個人的には強く勧めたいことだったりします。
物集めたくなる心理はとてもよく理解ができるし、その気持ちを抑えることも酷かもしれませんが、ほどほどがこの場合は望ましいです。
あわせてチェック