以前、クローバーに関しての記事を投稿しましたが、今回はクローバーとカタバミの違いにフォーカスを当てています。
基になる記事「三つ葉のクローバーの違いや種類、花言葉からわかる奥深さ」はこちらです。
クローバーにメチャクチャ似ているカタバミ、どこか「クローバーもどき」と思われているようですが、ちゃんと知ればカタバミの魅力にも気づけるはずです。
カタバミとクローバーの違いから、カタバミの話も交えて魅力を解説していこうと思います。
この記事で分かる事
- カタバミの事を詳しく知ることができます
- カタバミとクローバーの違いが詳しく分かります
- カタバミの魅力とその歴史の長さを発見できます
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そもそも「カタバミ」ってなに?
僕も「道を歩いていたらカタバミを見つけてきれいだった」って言われても「カタバミってなに?」って思ってしまいます(笑)
「鳥の名前」って言われた方が、腑に落ちるんじゃないですかね(笑)もちろん、そんな鳥はいません。
カタバミは、カタバミ科カタバミ属の多年草で、漢字で「酢漿草、片喰、傍食」とも書かれ、日本では
- かがみぐさ
- すいば
- しょっぱぐさ
- すずめぐさ
- ねこあし
などとも言われ、180種類以上の呼び名があるそうです。そのくらい至る所にある植物ということですね。
「しょっぱぐさ」などと呼ばれているのは、シュウ酸などの酸っぱい成分を含んでいいて、噛むと酸っぱい事からでしょう。
英語名も、カタバミ属の英語名が(Oxalis)と言いますが、シュウ酸は1776年にカタバミ属の葉から見つかった事から「oxalic acid」と命名されたように、英語でも酸っぱい事が関連しています。
葉はこんな感じです。
花はこんな感じになります。
繁殖力が強く、根を深く張るので駆除に困る意味で雑草に位置付けられています。
雑草のデメリット
ここは余談ですが、雑草というのは、例えばガーデニングで育てている植物とは別に出てきた、自然に生えてきた植物の事です。
放っておいても良い気もしますが、放っておくと
- 虫にとって好都合な環境になるので、害虫(蚊やゴキブリ、ナメクジ)や毒のある虫(蛾やクモなど)が発生しやすくなる
- 他の植物が生育不良になる
- 野良猫や野良犬の通り道になり糞便による不衛生
- 大火事の原因になる(過去に雑草の生い茂っている家が狙われ、放火されたケースがあります)
といった数多くのデメリットがあります。
仮にカタバミがきれいな花を咲かせても、繁殖力が強いので、畑を台無しにしたり、他の畑に種子が飛び散るので迷惑をかけます。
そのため、観賞用として育てないのであれば取り除く必要があります。
カタバミは、ヤマトシジミという蝶の幼虫がエサにしています。ヤマトシジミ自体はキレイでかわいらしいですが、それを捕食する虫もいるので、やはり悪影響と言えるでしょう。
これがヤマトシジミです。
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葉っぱを見ればわかる、クローバーとカタバミの違いとは?
葉っぱが非常にクローバーと似ているので、間違われやすいですし、実際に間違われて使われているケースも数多くあります。
違いを上げていくと以下の通りです。
- 花の見た目が違う
- 葉っぱはカタバミがハート形、クローバーは丸っこい
- クローバーの葉っぱは白い線がある
- 基本三つ葉で四つ葉などがカタバミにもあるが、環境の変化などに強いのでクローバーより発生率が低い
まず花から見ていきましょう、カタバミのは先ほど上げたとおりです。
クローバーの花は以下のようにカタバミの花とは全然違いますね。
クローバーの花は「シロツメクサ」と呼ばれています。聞いたことがあるのではないでしょうか。
そして葉っぱは、まずカタバミはこれです。
対して、クローバーは以下の通り。
そして、クローバーはヨーロッパから家畜の飼料用として持ち込まれたものなので、動物が食べても大丈夫ですが、カタバミは羊が食べると腎臓障害を起こす報告があるそうです。
似ているところだって当然ある
かなり細かい事ですが、カタバミとクローバーは全く異なるわけではありません。
植物学的な話になりますが、植物の分類のグループは途中まで同じです。
さらっと解説すると、
被子植物(angiosperms)
真正双子葉類(eudicots)
バラ類(Rosids)
真正バラ類(eurosids)
マメ群(Fabidae)
という所までは一緒です。
ここから枝分かれして
- COMクレード:カタバミ目(Oxalidales)
- 窒素固定クレード:マメ目(Fabales)
というとこから分かれます。
ちなみにカタバミ目の中に「マメモドキ科」があります。(カタバミは「カタバミ科」)ここからも決して離れているわけではないことが分かります。
「窒素固定」というのは、窒素を利用して、土壌を肥やすはたらきをします。クローバーは根粒菌という金と共生関係にあり、これで荒れ地でも生育可能なわけです。
クローバーは、土壌を肥やすことから、地球を豊かにする植物として緑化資材にも用いられています。
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カタバミと人のかかわりと魅力
ここまで見ると、カタバミがクローバーに魅力を取られている感が伝わってきますかね
ただ、もっと調べてみると、カタバミは昔から色々な面で使用してきているという事が分かりました。
家紋使用率ナンバーワンはカタバミ!?
カタバミが最も使われたものは「家紋」でしょう。
多く使われているということですであり、片喰紋(かたばみもん)・酢漿草紋は日本の家紋の一種で、平安時代から使われているそうです。
先ほども上げたとおり、繁殖力が強くて根強いことから「(家が)絶えない」に通じる点で武家の間では、
- 家運隆盛(一家の運命が栄えること)
- 子孫繁栄の縁起担ぎ
として家紋の図案として用いられ、五大紋の一つになっています。
五大紋は
- 藤
- 桐
- 鷹の羽
- 木瓜
- 片喰
のことです。
しかも、カタバミの片喰紋は、日本家紋研究所のデータでは、全国平均で最も多い占有率を示しているそうです。
種類も
- 片喰
- 剣片喰
- 丸に剣片喰
- 蔓片喰
- 姫路剣片喰
など多くの種類の家紋があります。
昔から日本に存在し、かなり意味で使われていた植物だという事が分かりますね。
薬としても使用されてきた
カタバミの全草(全草. 花、葉、茎、根などの植物の全ての部分)は、酢漿草(サクショウソウ)という生薬名です。
効果は
- 消炎
- 解毒
- 下痢止め
などの作用があるとされます。
肝炎や民間療法で虫さされに効果があるとされていたそうです。
カタバミの花言葉とその由来
片喰にも当然花言葉があります、それは
- 喜び
- 輝く心
- 母のやさしさ
です。
ムラサキカタバミは「心の輝き」「決してあなたを捨てません」というのもあります。
クローバーは葉っぱの数によっても変わってくるので様々ありますので、こちらのページをご覧ください。
「三つ葉のクローバーの違いや種類、花言葉からわかる奥深さ」はこちら
カタバミ、かなり色々といいイメージだと思いませんか?
由来
カタバミは、キリスト教の復活祭でハレルヤが唱えられる時期にカタバミの花も咲く出すことにちなんで、スペインやフランスでは「ハレルヤ」と呼ばれています。
花言葉の「喜び」はハレルヤに由来しているそうです。
「輝く心」は真鍮(しんちゅう)や鉄製のものをカタバミの葉で磨いていたことにちなむそうです。
誕生花としての日にち
これは5月20日となっています。
この日は俳優の永井大さんや、元プロ野球選手の里崎智也さん、今も現役の田中賢介選手がいます。
結構プロ野球選手サッカー選手などスポーツ選手に多い誕生日で、カタバミの厳しい環境でも生き抜くのとかぶりますね。
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クローバー、カタバミの違いが分かれば魅力も分かる
どうだったでしょうか。よく見ると大きく異なるクローバーとカタバミ。
似ている部分もありますが、ちゃんと見ていくと異なる点が多かったと思います。
「雑草」の位置づけですが、それが逆に好意的に取られているケースもあり、家紋がいい例でしょう。
日本でも非常に歴史ある植物という事が分かりましたし、日本の至る所で存在している植物、それがカタバミです。
今度見つけた時は、今回の内容を思い出しながら見てみてはどうでしょうか。
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