僕はかつて金魚博士でした(あくまで自称ですが(笑))
その時に色々な品種の金魚を飼っていましたが、水換えの際に常識とも言えるのが、
「水道水を使ってはいけない」
ということです。
金魚など魚を買ったりしない人にとっては常識も何もなく、知らなかったという人も多いと思います。
でも
「金魚に水道水をそのままつかったって良くない?」
って思ったことがある人もいるでしょう。
まさか本物の金魚を使うわけにはいきませんので、その理由を示して水道水はそのまま使用してはいけない理由を紹介しようと思います。
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金魚にとって水道水って何がいけないの?
金魚にとって水道水がいけないのはなぜでしょうか?
答えを一言いうと、
「塩素が含まれているから」
です。
もっと正確にいうと
「カルキが含まれているから」
です。
カルキというのは、正式にはクロールカルキといい、「次亜塩素酸カルシウム」という物質で、プールにも使われている物質になります。
ただ、金魚の飼育には一般的には「塩素」に対して呼ばれているので、ここではどちらの認識でも問題ありません。
人が飲んだり、料理に使ったりなどするために水道水は使われ、人には無害ですが、金魚にとっては有害です。
金魚にとっては体が小さい分、毒になりますし、人間にとっての空気と考えていいでしょう。
「呼吸できなくなる」と言えばわかりやすいのではないでしょうか。
もう少し具体的に解説していきます。
水道水が有害な理由① 呼吸困難
これは先ほど、「金魚の水は人間からしたら空気と同じ」と書きましたが、そういうことです。
塩素が金魚の呼吸器系(エラ)に入り、呼吸器系の細胞を破壊します。
時間をかければ復活するものの、金魚にとっては致命的です。
水道水が有害な理由② 皮膚のバリア機能低下
金魚の体表はヌルヌルしていますが、これは粘膜が身体の表面を覆っているからです。
金魚を触ってもわかりますし、釣り堀などで釣った魚やスーパーで買った魚をさばいたことがあればわかるはず。
これは病気などから皮膚を保護しているためで、この粘膜の調子が悪くなるだけで病気になったりします。
そして、塩素はこの粘膜の調子を悪くしてしまい、病気になりやすい環境を作ってしまいます。
人間もアトピーのような皮膚の弱い人が水道水でシャワーやお風呂に入ると症状が悪化しますが、それと似たような状態ですね。
金魚の場合は全身にそれを浴びるような状態なので、皮膚の状態はボロボロになって病気になりやすい環境を作ってしまいます。
ただ、皮膚の問題というより、①の呼吸器にダメージを与えてしまうのが最大の原因でしょう。
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水道水で金魚に使える水にするには?
水道水で金魚を飼う場合どうすればいいか?これは、カルキを抜けばいい話ですが、それほど難しくないです。
カルキ抜きの方法① 汲み置きする
水槽やバケツなどに水道水をくんで、陽の当たるところに置いておきます。
ただ、天気によって、置いておく時間は異なりますし、場所によって含まれているカルキの量も異なるので一概に時間は言えません。
基本的には1日くらいですが、日の当たり方などによってはそれ以上かかるケースもあります。
時間はかかりますが、これが1番気軽にできるカルキ抜きの方法です。
カルキ抜きの方法② 脱塩素剤(ハイポ)を使う
塩素を取り除く薬(脱塩素剤)を使って取り除きます。
小さな透明のもので、決められた量を入れることで塩素を取り除けます。
ペットショップやホームセンターでも購入可能ですし、お祭りの金魚すくいで取った金魚すくいのお店でも売っているケースがあります。
金額も100円ショップでも売っているところはあるので、①の水道水汲み置きよりもこちらの方がいいと思います。
カルキ抜きの方法③ 沸騰させる
沸騰することで気化するので、抜くことは可能です。ですが、1つ条件があります。それは「必ず酸素を入れること」です。
具体的な方法はエアポンプ(ブクブクなどと呼ばれているものです)で酸素を送る必要があります。
金魚を入れる前にエアポンプでしっかり酸素を水中に送り込むことを忘れなければ使用可能です。
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ミネラルウォーターは使っていいの?
水道水を変えずに、もとから塩素の含まれていない水を使えば良いんじゃないの?って思った人もいるはずです。
なら、そういった水の代表格、ミネラルウォーターは使って良いのか?という疑問になると思います。
結論から言うとNG、少しゆるく言うと避けるべきです。
理由はざっくり言うと「キレイすぎ」であり、汚いのも問題ですが、綺麗すぎるのもまた問題なんです。
バクテリアや酸素などが含まれない、純粋な水がミネラルウオーターです。金魚にとってはそれが良いとは限りません。
特に海外のミネラルウォーターのような硬水は特にダメで、日本のミネラルウォーターのような軟水が望ましいです。
金魚が生きて行く上でバクテリアも重要で、そのバクテリアが繁殖しにくいからです。バクテリアは金魚の糞を分解したりするのに大切です。
バクテリアを増やすための薬剤もありますが、それをわざわざ買うのもコストがかかるのではないかと思います。
もし、夜のお祭り屋台で金魚を取って水が必要な水がない場合の代用として使うならありですが、軟水にすることは忘れないようにしましょう。
なら浄水器でもだめ?
浄水器も結論から言うとNGです。
浄水器の機能によっては大丈夫なものもあるでしょうが、ミネラルウォーター同様、バクテリアが繁殖しにくい環境にある水になる可能性もあります。
浄水器もミネラルウォーター同様避けることが望ましいでしょう。
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金魚を水槽に放す前に欠かせない事
金魚に必要な水を用意する方法はいくつかありますが、必ず忘れてはいけないことがあります。
それは
「水温・水質を合わせること」
です。
金魚は水温のショックに弱く、ちょっとの変化でショック死することもあるくらいで、金魚すくいの金魚の死因の原因の1つになっています。
水質も問題で、全く違う環境に移すことで、それが金魚にとって大きなストレスになります。
人間も同じですね。環境が変われば慣れるまで落ち着かないはずです。
じゃあどうすればいいのか?方法は簡単です。
欠かせない事① 水温を合わせる
まず必要なのは水温。その方法は
「取った来た袋のまま、入れる予定の水槽に浸す」
ことです。
いきなり入れても水温の変化などで金魚に大きなダメージを与えてしまいます。
袋のまま浸して、水温を一定に保ちます。袋が小さくてこぼれそうなら、別のキッチン袋などに移してOKです。
時間は30分もあれば一定になります。時間に関しては長くても問題ありませんが、金魚が狭い中で泳いでいるし、酸欠になる可能性もあるので早めに放しましょう。
参考になる動画がありました。熱帯魚での話をされていますが、この辺りは金魚も熱帯魚も同じです。
欠かせない事② 水質も一定にする
水質も異なるので、水温を保った後は元々の水を半分捨てて、入れる予定の水を入れます。
待つ時間は温度が一定なので30分もあれば十分でしょう。様子を見て問題なければまた半分を捨てて、半分分入れる予定の水を入れます。
ここも約30分おきます。時間に関しては、金魚の体調次第なので根拠はないですが、そのくらいであればストレスも最小限に防げるはずです。
これで大丈夫なら水槽に放しても大丈夫です。
できるなら塩水にする
金魚すくいの金魚の場合は病気にかかりかけていたり、追いかけ回されているストレスで弱っている可能性があります。
病気を予防したり、ストレスを軽減させる方法として塩水浴させる方法があります。
濃度は0.5%で、これは1000mLの水に対して5gの塩を入れる量となります。
塩は食塩でもいいですし、余計なものを含んでいない塩がベストです。
可能であればここまでやれば確実です。
ここまでおさらいすると
① 金魚の入った袋のまま放す予定の水槽に浮かべて30分以上おいて水温を一定にする。
② 入った袋の水を半分捨てて、水槽の水を入れて30分
③ ②を再度行う
④ できるなら0.5%の塩水を作る
といった流れで入れます。
0.5%の塩水を作るのは面倒!!って方はこういうのもありますよ。
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エサを与えるのは3日後に
新しい水槽に入れても、エサは与えず約3日後に与えてください。持ってきた後は少なからずストレスがあるので、エサを与えると消化不良になります。
金魚は3日食べなかったからといって餓死するような生き物ではありません。
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まとめ
まとめると
カルキを抜いた水道水がベスト
カルキを抜くのが困難なら、ミネラルウォーターか煮沸した水道水
上記の場合は酸素を忘れない
可能なら、塩水を作る
水温を保って、水質に慣れさせることを忘れない
エサはすぐにあげない
金魚に水道水をそのまま使用するのはNGですが、カルキを抜けば水道水は1番ベストな水になります。
金魚にとって、人間にとっては空気のようなものです。
例えば、室内の空気環境を作るのは非常に難しいと思います。でも、その空気が淀んだら生きていけません。
金魚に水道水をそのまま使うのは、人間が毒ガスの中に入れられるようなものです。
なので、金魚を迎えたら金魚にとって毒ガスに当たる塩素を取り除いて、いい環境を作ってあげたいですね。