にっしん(@nisi_otabloger)です。
夏至と聞いてもピンとしない人が多いのではないでしょうか。僕も実際にそうです(笑)
1日の中で昼間の時間が一番長い日ではありますが、これといって何もしない人が多いはず。
ですが、一つの季節の変化を告げるような日なので全国的、世界的に何か風習があるはずと思い色々調べてみました。
ちなみに2019年の夏至は6月21日です。
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夏至の風習は田植えが関係していた?
調べてみると、夏至の風習は基本的に農業での田植えが関係していました。
夏至の11日後の「半夏生」までに田植えを終わらせないと、収穫が減ってしまうと昔から言われていたので、それまでに田植えを終わらせようとしていました。
そのため、農家の方はこの時期最も忙しく、夏至の日に何かをするというのは基本的になかったのかもしれません。
もしかすると、収穫に備えて働き、半夏生までに終わらせよう、夏至が来ると半夏生まで11日しかないので、タイムリミットを知らせる日としてみられていたかもしれません。
そして田植えが終わると、無事に田植えが終わったことの感謝と豊作を祈った各地の風習が行われていたようです。
例えば、うどんを食べていたり、タコを食べたりしていました。
なので、夏至に行われていた、というよりその後の半夏生で行われ、それが風習として残っていると言えます。
ただ、本当に夏至の時に行われる習慣はないのか?って思いますよね。
でも本当に夏至には何も行われなかったのか?
各地で半夏生の後に行われるのはわかりましたが、でも夏至に行われていたことだってあるんじゃないの?って思った方もいるはず。
そこで、夏至の時に行われるお祭りや風習など調べました。
国内の夏至の風習や習慣
ここでは国内の風習についてあげていきます。多少時期がずれているものもありますが、近いものとしてあげていきます。
先ほども書きましたが、日本人は農耕民族なので、夏至の時期は基本的に農作業で忙しく、風習的な事をしている暇がなかったように思うので、「夏至の日」にそういったイベントは行われにくかったと思われます。
尾張地方(愛知県)
夏至の日に無花果(いちじく)の田楽を食べる風習があるようです。
無花果自体は江戸時代初期にペルシャから中国、そして長崎に伝来しました。元々は薬(生薬)として使われたようなので、食用というより健康のために食べられるようになったのかもしれません。
なぜ尾張地方で無花果が食べられるようになったかは不明ですが、田楽をかけるのは味噌カツなどのある愛知県ぽいなと思います。
三重県二見浦
三重県の二見興玉神社で行われる「夏至祭」は日本で有名なお祭りで、夏至の時期だけ大小仲良く並んだ夫婦岩の間から朝日が昇ります。
他にも夫婦岩というのはありますが、岩の間から朝日が昇るのは大変めずらしいそうです。
その朝日を浴びながら、神聖な水とされている二見浦の海水で身を清めます。
京都
夏至とちょっと時期は異なりますが、京都では6月30日に「水無月」と呼ばれる和菓子を食べる風習があります。
水無月は、ういろうに小豆あんを乗せ三角形に切った和菓子です。小豆は悪霊祓い、三角形は「氷」を意味して「暑さに耐える」ことを意味しています。
これは、田植えには関係していないようで、「夏越の祓」という儀式での風習です。
北海道
北海道では2つのイベントがあります。
さっぽろキャンドルナイト
札幌市内で夏至の日に20時~22時の2時間、一斉に電気を消して、スローな夜を過ごすというコンセプトで行われています。
2001年にカナダで始まり、それを受けて2003年に札幌でも始めています。
2011年の夏至には、札幌市内のさっぽろテレビ塔や札幌市時計台、札幌以外では東京タワーなど、全国3万を超える施設・企業・団体が消灯した事で、約73万kWhの電力削減に繋がったそうです。
一般家庭の使用電気量は4人家族だと、18.5kWhなので、約39,500世帯の1日の電気量をまかなう事が出来たということです。
たったの2時間でですよ。すごいですよね。
これが10倍に拡大すれば約40万世帯、4人家族でザックリと計算したら160万人分の電気を作り出した(言葉としては「削減した」ですが、作ったのと同様だと思います)と言っても良いでしょう。
北海道の人口は約550万人なので、北海道の人口の3.5分の1、約28.5%の電気代をカバーできるということです。
当別町のお祭り
北海道の当別町では、スウェーデンのレクサンド市と姉妹都市であり、夏至の日になると「夏至祭」が行われます。
夏至祭では、広場に集まり、季節の草花で美しく飾りつけられた大きな柱(マイストング)を立ち上げ、フォークダンスを踊ったりします。
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世界の夏至のお祭り
世界の夏至に関係することをまとめました。結構恋愛がらみのお祭りが多いですね。
スウェーデン
北海道当別町と近いものでしょう。冬の期間が長いスウェーデンでは夏至はとても特別な日のようで、夏至の日は毎年お祝いをします。
フィンランド
スウェーデンに近いフィンランドでもお祭りがあります。
その夏至祭は非常に重要で、祝日になる程です。夏至に最も近い土曜日(この日が夏至祭)とその前日の2日間が祝日になります。確実に連休になるということですね。
祝日にしてしまうほど、夏至は非常に重要な位置づけという事で、世界で一番夏至に重きを置いているかもしれません。
夏至の日の祝日には
- かがり火を焚く
- サウナに入る
- バーベキュー
- 魚釣り
- セーリング
といった事を楽しむようです。
他にも子孫繁栄や将来の伴侶を見つける為のおまじないが行われていた事から、夏至祭は結婚式の多い日でもあるそうです。
イギリス
ストーンヘンジであり、男性神と女性神の出会いを祝う意味があると言われています。
ギリシャ
未婚女性を対象としたもので、無花果(いちじく)の木の下に自分の持ち物を置くと、夏至の魔法で将来旦那になる人の夢を見るそうです。
スウェーデンでも似たような話がありますし、ヨーロッパでは夏至に結婚絡みの話が多いですね。
ポーランド
イワン・クペラの日というスラブ民族の祝日があり、その日の夜は人々が恋に落ちるという言い伝えがあります。
やはりヨーロッパにとっての夏至は特別のようですね。
半夏生での風習・習慣
日本の場合、風習や習慣は半夏生の方が多いです。やはりここは農耕民族の日本人だけあって、夏至は畑仕事で忙しかったことがイメージできます。
半夏生では、以下のようなことが行われています。
奈良「半夏生餅」
奈良では小麦ともち米を混ぜて作られる餅を作って食べる風習があります。
これを「半夏生餅」または「小麦餅」と言います。
夏至の前の6月に収穫される小麦ともち米で半夏生餅を作ってお供えし、今でも半夏生餅は奈良の名物品になっています。
関西の「タコ」
タコは、タコの足や球盤に例えて
- 稲の根がしっかり根を張るように
- 稲穂が立派にたくさん実るように
という願いを込めてタコを食べるようです。
こういった例えるのは、ユーモアセンスのある関西人ならではでしょうか。
香川「うどん」
「うどん県」の香川県。香川では半夏生の日にうどんにちなんだ大きなイベントが行われます。
福井「半夏生鯖」
福井県では焼き鯖が食されています。
冬至、盆地特有の夏の暑さを乗り切るための貴重なスタミナ食として、藩主が鯖を食べるように奨励したのが始まりのようです。
まとめ
色々なところの夏至に行われる習慣についてまとめました。
特徴的なのは、二本は半夏生に行われ、ヨーロッパは夏至の日に祝日を作る程だという事。そして北海道では、札幌のキャンドルナイトと独自のイベントで地球環境問題に取り組んでいました。
一口に夏至と言っても国によって、同じ国でも地方で大きく変わってくるのが面白いですね。
夏至の日はどの地域のものでも良いので何か取り入れてみると面白いかもしれません^^
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